京野菜について
京野菜の歴史 history
平安時代、宮中や寺社に献上された野菜が京野菜の源流。
清らかな地下水と肥沃な土が育む濃い旨みは千年の食文化を支え、江戸期には青物市場を通じ庶民の舌を魅了しました。
近代化で一度衰退した品種は昭和後期に「京の伝統野菜」として復活し、今も農家が種と技を守り継ぎます。
四季の寒暖差が生む繊細な甘みと雅な彩りは家庭料理を料亭の一皿へ格上げ。
豊富な抗酸化成分は体にもやさしく、彩り豊かな一口ごとに都の風情が広がります。
今だけの旬を逃さずに、歴史と旬が凝縮されたご馳走をどうぞ食卓でお楽しみください。

京野菜の魅力 appeal
京野菜は見た目や味の美しさだけでなく豊富な栄養素で注目されています。
ビタミンやミネラルが多く含まれ、抗酸化作用のある成分も豊富。
それぞれの野菜が持つ栄養が健康をサポートし、美味しさとともに体に優しい食材です。
活性酸素とORAC値
活性酸素は酸素が変化して生じる有害物質で、ストレスや不規則な生活によって増え、老化・がん・免疫低下の一因になります。自前の抗酸化力だけでは処理しきれないことがあるため、抗酸化力の高い食品を摂取して抑える必要があり、その力を数値化した指標がORAC値です。
京野菜と一般野菜のORAC値の比較
京都の土壌が育む
豊富なミネラル
京都の土壌は火山灰土壌や粘土質土壌など、栄養をじっくり蓄える土が多いため、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル分が豊富です。
京野菜のような伝統のある昔ながらの品種は、深く広く根を張るものが多くいため、地中深くのミネラルをしっかり吸収して育ちます。現代の量産野菜よりもバランスの良い自然なミネラル構成を保ちやすいという特徴があります。カリウムはむくみを解消させ、カルシウムはイライラや骨密度に、マグネシウムは疲れやすさに効果があります。現代人にとって必要不可欠なミネラルを多く含む京野菜は、昔ながらの品種でありながら現代の食にも適していると言えます。
京野菜の紹介 Guide
賀茂なす
丸くて大ぶりななす。肉質が締まり、加熱するととろける食感に。
旬の季節:夏
保存方法:冷暗所または冷蔵庫の野菜室
抗酸化性:★★★
聖護院かぶ
球形で大きなかぶ。甘みが強く煮崩れしにくいので煮物に最適。
旬の季節:冬
保存方法:冷蔵庫の野菜室(葉は切る)
抗酸化性:★★
九条ねぎ
柔らかく甘みのある青ねぎ。薬味としても炒め物にも使える万能選手。
旬の季節:秋〜冬
保存方法:冷蔵庫(ラップまたは袋で密封)
抗酸化性:★★★
万願寺とうがらし
辛くない大型のとうがらし。肉厚でジューシー。焼き物に最適。
旬の季節:夏
保存方法:冷蔵庫の野菜室
抗酸化性:★★
堀川ごぼう
太くて中心が空洞になったごぼう。風味が強く、煮物にぴったり。
旬の季節:冬
保存方法:土付きのまま冷暗所、または新聞紙に包んで冷蔵
抗酸化性:★★★